『FLCL』(フリクリ)は、2000年に日本のアニメスタジオ「ガイナックス」が制作した全6話からなるOVAシリーズでテレビ放送はされていません。斬新な演出、奇抜なストーリー展開、そして実験的な映像表現で高く評価され独特なスタイルのアニメーション作品でコアなファンが日本というより世界中にいる作品です。
監督は鶴巻和哉で、TVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」(95~96)に副監督、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズ(07~)でも監督を務めている。また、庵野秀明や貞本義行もフリクリ制作に関わっています。
ストーリー概要
『FLCL』は、12歳の少年・ナンダバ・ナオ太を主人公にしています。ナオ太は何の変哲もない生活を送っていましたが、ある日、異星人のような女性ハルハラ・ハル子に出会い、彼女がギターでナオ太の頭を殴ったことから彼の生活が一変します。その後、ナオ太の頭からロボットが出現し、彼の周囲には次々と奇妙な出来事が巻き起こります。
物語の中心には、成長のテーマや、青春期の混乱と変化が描かれており、アクションシーンやシュールなユーモアとともに、思春期の葛藤を象徴的に表現しています。
私は大人ぶる少年が少年らしい少年へ成長する話だと思っています。
特徴的な演出
『FLCL』は、そのアニメーションスタイルの多様性で際立っています。スピーディーなテンポで描かれるアクションシーンは緊張感と躍動感、緊迫感が高く、それだけでも見ていて面白いです。時には手描き風のラフなタッチ、トムとジェリーのようなカートゥーン調、マンガ的な表現、さらにはCGを用いたシーンも登場します。また水彩画のような優しい背景も特徴的でキャラクターの心情を間接的に表現しています。
音楽
FLCLについて語るうえで「the pillows」の楽曲は欠かせません。彼らの楽曲はアニメのエネルギッシュなトーンをさらに強調しています。オープニングテーマ「Ride on Shooting Star」は特に印象的で、物語の世界観にマッチしています。
評価と影響
当時の視聴者や批評家の間では、その実験的な内容とスタイルに賛否が分かれましたが、後にカルト的な人気を獲得しました。特に、思春期の少年の心理を描く独特なストーリーテリングと、映像表現の多様性が高く評価されています。『FLCL』は続編として、2018年に『FLCL Progressive』と『FLCL Alternative』が公開され、新たな展開を見せましたが、オリジナルの独創性とスタイルは特に際立っています。
繰り返し見るほど、発見があり噛めば噛むほど味のするするめのような作品です。
繰り返し見れるくらいの長さですしね(笑)。
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